2026年10月17日(土)・18日(日)、和歌山県では「誰が、どうやって受け継いでいるのだろう」と思うものに出会えます。和歌山市のものづくり文化祭で職人に教わる体験、みなべ町の鹿島神社で見る秋祭り、日高川町の土生祭に伝わる独特の獅子。ものを作る一日と、地域の神事を見守る一日から、行き先を選ぶ週末案内です。
職人のそばで手を動かす、和歌山ものづくり文化祭
和歌山城ホール1階展示室で開かれる「和歌山ものづくり文化祭2026」は、17・18日の10〜17時。木工や漆芸、金属加工、繊維など、普段は工場や工房で行われている技を一つの会場で見て、話を聞き、体験できる催しです。2026年の開催概要
今年の体験には、革の小物、ウレタン端材で編むかご、工業用ミシンで作るトレーナー、アルミのペンケースなどがあります。素材から選んでも、持ち帰って使いたいものから選んでもよさそうです。「何を作るか」を先に決めておくと、会場で職人に聞いてみたいことも浮かんできます。出展者と体験一覧
たとえば大彦のブースでは、大工が使う鉋で杉や桧を削って箸を作ります。所要30〜45分、1,100円。木の形が自分の手で変わり、なめらかに仕上がっていく過程を味わう体験です。予約優先で当日受付もありますが、参加したい時間が決まっているなら予約を確認しましょう。汚れてもよい服と持ち帰り袋を用意し、小さな子どもには保護者の付き添いが必要です。箸づくりの詳しい条件
2025年の活動を振り返った運営関係者の文章では、職人や来場者との「対話」の機会を増やそうとしてきたことが語られています。完成品を持ち帰るだけでなく、なぜその素材を使うのか、普段はどんな仕事をしているのかを聞くことにも、この文化祭の楽しみがあります。2026年1月に公開された、2025年春・秋の活動についての振り返りです。運営関係者の2025年回顧
さらに、2023年の主催者インタビューでは、2022年に漆器の体験ブースを手伝った学生が、作品づくりに驚いたり喜んだりする来場者の様子を見られたことが嬉しかったと話しています。作る人、教える人、手伝う人とのやりとりも含めて楽しめる場所として、時間をとって訪ねてみたい催しです。学生スタッフへの公式インタビュー
18日はみなべの鹿島神社へ。地区の芸能が集まる秋祭り
鹿島神社の秋祭りは、みなべ町埴田の神社で10月18日(日)に行われます。地元観光協会が案内する毎年10月第3日曜日の祭礼で、県の2026年度行事予定表には12〜17時頃と掲載されています。みなべ観光協会の案内/県の2026年度行事予定表・23ページ
県の案内には、埴田の神輿、獅子舞、南道の奴行列、芝崎のふとん太鼓といった地域の祭礼が紹介されています。ただし、奴行列は3年に一度、ふとん太鼓は随時参加とされており、毎年すべてが揃うわけではありません。今年のお目当てがある人は、参加する地区や芸能を神社の最新案内で確認してから向かうとよいでしょう。
ここで楽しみにしたいのは、一つの演目の派手さだけではなく、地区ごとに受け継いできたものが神社の祭礼につながる姿です。神輿を運ぶ人、舞を奉納する人、それを見守る人。行列の進行を妨げない場所から、それぞれの役割に目を向けてみてください。見学前に名前を知っておくと、現地で「今来たのはどの地区だろう」と見る手掛かりになります。
会場はみなべ町埴田20。進行や天候による変更については、出発前に神社へ確認を。秋祭りと、8月に行われる奉納花火祭は別の催しなので、今週末の予定は秋祭りの案内で確かめてください。
土生祭の獅子は、音の聞き方から違う
日高川町の土生祭も18日(日)。土生八幡神社で毎年10月第3日曜日に行われる祭りで、県の2026年度行事予定表では9時からと案内されています。町が紹介する「お頭神事」は県の無形民俗文化財です。日高川町の祭礼紹介/県の2026年度予定表
特徴は「双頭の踊り獅子」。町の説明では、笛や太鼓の楽曲を伴わず、雌雄の鬼が持つ矛と簓の気配で踊ります。簓は、竹の先を細かく割って束ねた道具。にぎやかな囃子に合わせる獅子舞を思い浮かべていると、少し意外に感じるかもしれません。獅子だけでなく、鬼がどう動き、道具をどう使うかまで見てみたい神事です。
町の2025年11月広報は、前年の土生祭が10月19日に行われたことを写真とともに報告しています。長く続く文化財という説明に加えて、今も地域の人が担っている行事だと分かる記録です。2025年の町広報・表紙
9時は例大祭全体の案内であり、双頭の獅子の上演時刻とは限りません。神事を目当てにする場合は、当日の進行を日高川町観光協会などへ事前に確認してください。みなべの鹿島神社とは別の場所なので、どちらも確実に見ようと急いで移動するより、見たい祭礼を決めて落ち着いて過ごすのがおすすめです。






