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秋の所蔵品展1「茶掛けの書」

秋の所蔵品展1「茶掛けの書」

文化
開催期間
2026年08月28日(金) - 2026年10月18日(日)
開催地
広島県 福山市 / ふくやま書道美術館
詳細
茶席の床の装飾として掛けられる軸「茶掛け」は、一期一会のその場所で亭主の思いを代弁する第一の道具とされてきました。本展では、鎌倉から江戸時代までの墨蹟や消息・古筆切など、茶席の掛け物として人々の間で珍重され喜ばれた書を中心に紹介します。特に、禅僧による墨蹟が重用され、禅修行の日常において告知・伝達事項等を墨筆文書に託する宗規から生まれた現物は、寺宝や遺品として愛蔵されてきました。本展では、建築、作庭、茶道など多彩な才能を発揮した小堀遠州の消息幅や、光悦流を編み出した本阿弥光悦の書状、さらに禅僧の沢庵宗彭らの作品を通して、茶掛けの歴史と魅力を紐解きます。沢庵宗彭の作品《撥草》は、キレのある線質と開放的な間のとり方がすがすがしい印象を与えます。名誉や地位にこだわらず禅と仏教の教えを日々体得できる場所を自らの居場所とした沢庵宗彭の人柄と教養、卓越したカリスマ性は広く知られ、当時の有名大名からの招きも多かったようです。しかし、沢庵さんはそのオファーを受けることもなくあっさりと断り、故郷に小さなお寺を再興して隠遁生活を送られました。江戸時代の初め、沢庵さんは紫衣事件で徳川秀忠に物申して流罪に遭いましたが、秀忠亡き後、息子・家光の時代になると江戸に呼び寄せられ、家光の専属コンサル的な役割を担うようになります。清貧を尊んだ沢庵さんが徳川家当主、時の大将軍・家光公に出した質素できらびやかさのない大根のお漬物が、今でも日本の食卓に上る「たくあん」なのです。このさりげない一品を家光はたいそう気に入り、沢庵さんの名が大根漬けの名称になったという説もあります。名誉や地位になびかなかった沢庵さんだからこそできる、天下人への接待・もてなしだったのではないでしょうか。展示会場では飲食禁止ですが、沢庵さんの作品を前に大根のお漬物に想いを馳せて見るのも一興です。

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